【蓋開け不要?】オペルクリアパキプスの発芽を検証

難易度が高いとされるオペルクリカリアパキプスの発芽…
100粒やっても1つも発芽しないといわれた時代があったものの、蓋開けという技術革新によって発芽率は60%になると言われる時代になりました。
しかしながら、この蓋開け…
スゴク難しい!!
理由は単純、小さな種子の蓋を胚子を傷つけずに開けなければいけないために、失敗して胚子を傷つけてしまい、発芽しないなんてことにも繋がりかねません…。
そんな中、理系出身の私がオペルクリカリアパキプスがなぜ発芽率が低いのかということを改めて考え直し、改善方法を見つけましたため、説明いたします。

つばさブログ
【完全版】オペルクリカリア・パキプスの実生、種まき・発芽方法【発芽率60%超】 - つばさブログ こんにちは、つばさです。 実生最難関のパキプスを攻略しつつあるので、実生方法をまとめます。 かれこれ200粒くらい蒔きました。 種の購入 おすすめのショップ RUU PLANTS...

蓋開けの技術革新を普及させた「つばさブログ」は上記リンクからご確認ください。

目次

オペルクリカリアパキプスの発芽率が低い理由

オペルクリカリアパキプスの発芽率が低い理由は以下の通りです。

固い種子のため水分が中まで浸透しにくく目覚めない
・目覚めるまでにカビが生えてダメになる
・蓋を開ける余力がない
・蓋を開けると胚子が外気に触れてしまい、痛みやすい
・蓋開けで傷つけてしまう

これまで、固い種子に水分が浸透するまで時間がかかり、目覚める前にカビが生えてしまうといった理由から、ハイター漬けが一般的でした。カビは生えなくても、強力な塩素が種子の内部まで染み込むと当然ながら中身がダメになります。また、中身にまで達することがなくても、オペルクリカリアパキプス自身の力がなくて蓋を自力で開けられず、結果として脱落してしまう種も多かったと思われます。

そこで登場したのが、蓋開けと呼ばれる方法で、この技術革新の大きな利点は以下の2つでした。

・種子の内部まで水分がすぐに到達できること
・蓋が既に開いているため、蓋を自力で開ける必要がなくなったこと

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蓋開けによる発芽率向上の方法は上記ブログをご確認ください。

ただし、この方法にもリスクが存在します。

・蓋開けが難しく、胚子を傷つけてしまう
・胚子が外気に晒されてしまい、痛みやすい
・光に当たってダメージを受ける

オペルクリカリアパキプスの種子はとても小さく、そもそも蓋開けの難易度が高いです。
私も、初めての播種は蓋開けしました。
しかし、何個か胚子を傷つけてしまい、結果発芽率は9/24=37.5%という結果に…
※伝道者のつばさブログさんによると発芽率60%以上…私のミスで下がってます
鮮度が悪い種子があったり、植物育成LEDにあてたために、紫外線などでダメージを受けたり、他にも様々な要因があると思います。
初めてのオペルクリカリアパキプスの発芽チャレンジの時にはヒートマットなどもなく、発芽する温度と言われる30度以上を保つためには植物育成LEDにあてるしかなかったのです。

その後、新たにオペルクリカリアsp(ヒファエノイデスとして入荷していたが特徴が確認されないもの)を購入して再度チャレンジを試みました。

オペルクリカリアパキプスの発芽率を上げる新たな仮説

オペルクリカリアパキプスの種子の発芽率が悪い原因を再度記載します。

固い種子のため水分が中まで浸透しにくく目覚めない
・目覚めるまでにカビが生えてダメになる
・蓋を開ける余力がない
・蓋を開けると胚子が外気に触れてしまい、痛みやすい
・蓋開けで傷つけてしまう

蓋開けという技術が発芽率を上げる理由は下記の通りでしたね。

・種子の内部まで水分がすぐに到達できること
・蓋が既に開いているため、蓋を自力で開ける必要がなくなったこと

そもそも、自然界では人の手が介入することなく、オペルクリカリアパキプスは自生しているわけです。
自力で蓋を開けることができた強い個体のみが生き残るようにできているともいえるかもしれません。しかしながら、できれば種の単価が高い以上、力のない子でも発芽してほしい…
蓋開けは胚子を剥き出しにするために、間違いなく種子にも負荷がかかると言わざるを得ません。
※そもそも難しいし、胚子を傷つけてしまうし…

そう考えた時、そもそも、蓋開けの理由って何だろうと考えました。

種子の内部まで水分がすぐに到達できること
蓋を自力で開ける力が不要なこと(または簡単に開けられること)

胚子を傷付けてしまうとか、胚子が剥き出しで傷みやすいといったリスクをとってでも上記のメリットを享受するために蓋開けしているわけです。

それならば…

蓋開けしなくても上記のメリットを享受できるようにしたらいいのでは?

私はそのように考えました。
蓋開けしていないならば、胚子も剥き出しにならず、痛みにくいし、長く待つこともできるのではないでしょうか?

蓋開けせずに発芽率を上げる方法

結論からお伝えしましょう。

それは…

蓋部分にヤスリをかけてしまう

たったこれだけです。

これによって享受できるメリットが3点あります。

・蓋部分から種子の内部に水分が到達しやすくなる
・蓋が薄くなることで弱い力でも自力で発芽しやすくなる
・胚子が剥き出しにならないため、痛みにくい

気づいたのは本当に偶然でした。
オペルクリカリアsp(ヒファエノイデスとして入荷していたが特徴が確認されないもの)で2度目のチャレンジに挑む際に蓋開けを簡単にするために蓋部分をしっかりヤスリで削ってみたのです。
その後、メネデール+ベンレート液に約20時間漬け込んだだけで発芽している個体が確認されました。
もちろんですが…
自力で蓋を開けて発芽しております。

画像の通り、わずか20時間程で発芽していたのです。
偶然の産物から考察すると、種子内部にヤスリで削られて薄くなった部分から水分が侵入し、結果として発芽したものと思われます。

【NEW】オペルクリカリアパキプスの発芽方法

それでは、新たなオペルクリカリアパキプスの発芽率を上げる方法をまとめてみましょう。

①種子を数時間メネデール+ベンレート液(又は水道水)に漬け込む
②種子の果肉をキレイに落とす
③蓋部分を入念にヤスリでかけて薄くする
④メネデール+ベンレート液に漬け込む
⑤30~35度の温度で放置する

①種子を数時間メネデール+ベンレート液(水道水)に漬け込む

私の場合、オペルクリカリアパキプスの種子はSEEDSTOCKさんから購入しました。RUU PLANTSさんなどでも販売されているようです。できるだけ入荷時期が新しい場所で購入しましょう。


種は鮮度が命です!
購入した種には果肉がついているもの、果肉が取り除かれているものなどもあるかと思いますが、取り除かれていても表面には果肉の残骸が付着しています。果肉が残っているとカビが生えやすくなるために出来る限り取り除く必要があるわけです。
そこで、購入した種子はすぐに水に漬け込みます。水道水でも良いと思いますが、私は殺菌したかったためメネデール+ベンレートを規定倍率(2000倍)で希釈した水溶液を用いました。

②種子の果肉をキレイに落とす

写真は初めてのオペルクリカリアパキプスの発芽チャレンジの際に撮影したものなので水道水です。
数時間漬け込むと果肉又はその残りが水分を吸って取り除きやすくなります。入念にゴシゴシと爪で削るなりして除去してください。除去した種子は新しい綺麗な水(又はメネデール+ベンレート液)に漬けておきます。

③蓋部分を入念にヤスリでかけて薄くする

ここからが、重要ポイントです。
種子表面の汚れを取り除いた後…

蓋部分を丁寧にヤスリで削って薄くします。

蓋部分が見つけにくい場合も多いと思います。その場合には蓋部分が見つかるまで全体的に優しくヤスリをかけましょう。蓋部分が見つかったら、蓋部分を重点的にヤスリをかけていきます。

蓋部分が薄くなって、少し白っぽくなったら終了です。
元々は蓋部分を薄くして、再度メネデール+ベンレート液に漬け込んで柔らかくすることで蓋開けの難易度を下げるためにやっていました。

④メネデール+ベンレート液に漬け込む

蓋部分にヤスリをかけて薄くしたら、メネデール+ベンレート液に漬け込んで約1日放置します。
たったこれだけです。すごく簡単だと思います。

⑤30~35度の温度で放置する

温度は発芽に必要と言われる30~35度くらいです。ヒートマットがなければ照明をあてて温めてあげても良いかもしれません。蓋が開いていないため、胚子に光が直接当たって痛むこともないでしょう。

そうするとどうでしょうか?
用土に播種する前に発芽している個体まで確認されました。私はまだ仮説段階のために、当初予定していた通り、発芽の兆しが見えない個体のみを蓋開けしました。しかしながら、以前と比べて蓋開けも容易にできたために、蓋開けで苦労して胚子を傷付けてしまう事故も起こりにくくなったために、蓋開けするとしても成功率は上がったと言えます。

播種する

あとは用土に播種するのみです。
播種する際は育苗ポットを使用することをオススメします。

育苗ポットは下記がオススメです。

こちらは蓋つきのため、保温に適しています。また調節可能な通気孔により、育苗ポットの温度と湿度を調整することが可能です。トレイの底には排水孔があるため、腰水管理する際に絶妙な水量を供給することができます。
プレスチックトレイながらも丈夫で再利用できることも嬉しいポイントです。

我が家では、発芽リベンジと冬の育成に向けてヒートマットを導入しました。ヒートマット上に設置し、温度は34度に設定して様子をみてみます。

念の為、一部蓋開けしたオペルクリカリアパキプスの種子たちのために、日差しを遮るため遮光しました。段ボールを被せたため、保温効果も抜群です。

植物育成用のヒートマットですが、私はKaiju Plantさんの怪獣サーマットを導入しております。
この怪獣サーマットは、サーモスタッド不要で、設定温度と現在の温度が一目瞭然で把握できるためオススメです。
サイズも40cm×40cmと我が家の植物棚にはピッタリでした。

まとめ

今回、偶然にも蓋開けをしやすくするために蓋部分を薄くした結果、蓋開け前から発芽している個体が出てきました。方法を洗練させれば蓋開けが不要になる時代も到来するかもしれません。少なくとも蓋開けが容易になります。私の検証が少しでも多くの方に参考になれればと思います。
余談ですが、メネデールやベンレートはホームセンターや植物ショップで購入するよりもAmazonで購入したほうが安いです。ネットって便利になりましたね!
在庫の補充を検討される際にはAmazonから購入も検討してみてください。

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